【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……え?」
「よく、シェリル様のウェディングドレス姿はとてもきれいだろうなぁと、零していらっしゃいましたから」
「……そう、なの」
「だけど、自分が出席する権利はないとも、おっしゃっておりました」

 マリンの何処となく寂しそうなその言葉に、私は胸がぎゅうっと締め付けられたような気がした。

 正直なところ、エリカにならば挙式に出席してもらっても構わない……というか、むしろ出席してほしいと思う。

「……シェリル様の立場を奪い続けていた自分が、お祝いするなんてダメだと」
「そう、思っていてくれたのね」

 先に歩くロザリア様の背に視線を向けながら、私はそう零していた。

「……シェリル様」
「挙式の出席に関しては、私じゃ同行できる問題じゃないわ。……けれど」

 多分、今のギルバート様ならば特に問題ないとおっしゃってくれるような気がした。そういう意味を込めてマリンに視線を向ければ、彼女は「……そう、ですよね」とにっこりと笑って言ってくれる。

「そのためにはまず、エリカとお話をしなくちゃ」

 私がそう言ってにっこりと笑えば、マリンもクレアも頷いてくれる。……よし、しっかりとするのよ、私。

 そう思いつつ私が足を進めていれば、ふとロザリア様が足を止めたのが視界に入った。そのため、私はそちらにかけていく。ロザリア様の視線は、たった一点を真剣に見つめていた。

「……あそこ、ですね」

 そして、ロザリア様はそうおっしゃってとある一点を指さす。そこにはエリカ……ではなく、エヴェラルド様がいらっしゃった。彼の側には誰か別の人間がいるらしく、多分その人物がエリカなのだろう。

(何を話しているのか、ここからじゃ聞こえないわね……)

 遠すぎて、二人が何を話しているのかがこれっぽっちもわからない。だけど、盗み聞きもできれば避けたい。……正々堂々突っ込むのも、この場合は好ましくはない。
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