【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「ロザリア様も、ありがとうございました。私の愚痴を延々と聞いてくださって……」
「いえいえ、私も楽しかったですよ。……また女子会、しましょうね」
「……えぇ」

 ロザリア様のそのお言葉に、エリカが苦笑を浮かべる。

 最後とばかりにエリカはギルバート様に視線を向けた。ギルバート様はエリカのことを凝視しつつも、何もおっしゃらない。

 そんな彼に向かってエリカは「本当に、お世話になりました」と言っていた。

「私が、ここに来ること、きっと貴方様からすれば気のいいことではなかったと思います。でも、置いてくださった」
「……シェリルの頼みだからだ」
「それでも、です。……問答無用で追い出してもおかしくなことを、今までの私はしてきたのですから」

 そっと目を伏せてエリカがそう言う。

 その言葉にギルバート様は何もおっしゃらない。ただ、懐から何かを取り出されるとそれをエリカに握らせる。

「……これは?」
「ちょっとした餞別だ。ほんの少しだけだが、金が入っている」

 ギルバート様は淡々とそうおっしゃるけれど、エリカは目を大きく見開いていた。

「使用人の仕事を手伝ってくれたと聞いているからな。……その給金だ」
「で、ですが、私はもうすでに……」
「いや、受け取ってくれ。……今は物入りだろう」

 ゆるゆると首を横に振りながらギルバート様はそうおっしゃった。その言葉を聞いても、エリカは渋る。

 そのため、私はエリカに「じゃあ、貸しということにしましょう」と言ってにっこりと笑いかけた。

「これは貴女に投資をしたということ……じゃないかしら。いつか貴女の稼ぎが安定したら、返してくれればいいのよ」

 私がそう言えば、エリカは少しだけ躊躇ったのち「……そういうことに、するわ」と言って目を閉じる。
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