【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
 それに驚いていれば、ギルバート様は「……これで、よかったのか?」と問いかけてこられた。

 そのお言葉の意味は、大体わかる。エリカを一人にしても大丈夫か、ということなのだろう。

 それを悟りつつも、私は「大丈夫です」と言って目を細める。

「あの子は、見た目に似合わずとても強いです」
「……そうか」
「はい。お父様やお義母様の脅威がなくなった今、あの子はあの子らしく生きられます」

 エヴェラルド様とも無事仲直りしたというし、エリカはもう大丈夫だろう。

 そんな風に思っていれば、ギルバート様は「……シェリルが、そういうのならばいいんだが」と小さくこぼされる。

「正直、エリカ嬢をここに滞在させてほしいと言われたときは、いろいろと思ったがな」
「……それは、申し訳ないと思っています」
「だが、いろいろとエリカ嬢も苦労していたんだな。……それを知ったら、ますますアシュフィールド夫妻が許せそうにない」

 ゆるゆると首を横に振られて、ギルバート様がそう告げてくださる。

「でも、もう関係ないです」

 しかし、私はそう言ってギルバート様の目をまっすぐに見つめた。その目が、驚愕の色に染まっているんは気のせいではないのだろう。

「私もエリカも、お父様やお義母様の支配下にはもういない。……それぞれの道で、幸せになります」

 にっこりと笑ってそう告げれば、ギルバート様は「そうか」とおっしゃってくださった。

「じゃあ、そろそろ屋敷に戻るか」
「そうですね」

 ギルバート様のお言葉にそう返事をして、私はそっと手を差し出す。そうすれば、ギルバート様は控えめに手を重ねてくださった。
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