【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
 本日サイラスさんには私のエスコート役を頼んである。普通は父親がするものなのだけれど、生憎と言っていいのか私は絶縁状態だから。

「シェリル様、本当のお綺麗になられて……!」

 もうすでに涙ぐんでいるサイラスさんに「ありがとう」とお礼を告げて、私はギルバート様を見据える。

 すると、彼はそっと目を逸らしながら「……本当に、きれいだ」と小さな小さな声でおっしゃってくれた。

「旦那様。もう少し大きな声で」
「無茶を言うな。……言葉が、出てこないんだ」

 サイラスさんの無茶ぶりに少し顔を赤くしながら、ギルバート様はそう告げてこられる。

 そんな二人のじゃれ合いを見つつ、私は「……そろそろ、でしょうか?」と声をかけた。

「……あぁ、そろそろだな。だが、まだ実は少しだけ余裕があるんだ」

 私の問いかけに、ギルバート様は肩をすくめられながらそうおっしゃった。その後、彼は「……少し、シェリルと二人きりにしてほしい」とサイラスさん、クレアとマリンに告げられる。そうすれば、三人は文句一つなく「では、また後で」と言って控室を出て行く。

「……ギルバート様?」

 驚きつつも私が彼に声をかければ、彼は「……本当に、不思議な気分だ」とボソッと言葉を零される。
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