【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
(……っ!?)

 ふらっと身体がよろめき、その場に転んでしまいそうになる。

「シェリル!?」

 ギルバート様が慌てて抱き留めてくださったので大事には至らなかった。……だけど、何かがおかしい。

(別に、倒れるような理由はなかったのだけれど……)

 体調も悪くはないし、高いヒールにも慣れている。ドレスの裾を踏んだわけでもない。……じゃあ、一体どうして?

(っつ!)

 そんなことを想っていると、ほんの少しの頭痛を感じる。頭を押さえてしまえば、ギルバート様は「……本当に、大丈夫か?」と心配そうに私の顔を覗き込んでくださった。

 だからこそ、私は出来る限りにっこりと笑って言った。

「――大丈夫ですよ」

 と。

 これからの結婚生活に抱く期待。

 それを打ち砕くかのような頭痛に……私の心には、一抹の不安がよぎった。

 まさか、これが前兆だったなんて。この時の私には想像もできなかったのだ。


【第二部:END】
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