【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「そうか。……こっちに、来てくれ」
ギルバート様は、執務室の中にある休憩スペースに私のことを手招きしてくださる。だから、私はお茶を持ってそちらに向かう。クレアも、ついて来てくれている。クレアの顔を見れば、何処となく微妙そうな表情を浮かべていた。
「……あ、あの、私、失礼、いたします」
お茶だけを渡したら、撤退しよう。ギルバート様、やっぱり慌てられているみたいだし……。そう思って私が立ち去ろうとすれば、ギルバート様は「シェリル?」と私の顔を覗き込んで名前を呼んでくださる。……言えるわけがない。だって、言ったら面倒な女だって思われちゃうもの。
「……い、いえ、その、ギルバート様には、関係ない、です」
それは、自分に言い聞かせるような言葉だった。そう、私が勝手にショックを受けているだけ。つまり、ギルバート様には関係ない。そういう意味の言葉だったのに、ギルバート様は露骨に寂しそうなお顔をされる。……そんな表情をされると、胸が痛んでしまう。
「シェリル。俺、何か悪いことをしたか? 確かに、最近一緒にいる時間が少なくなってしまったが……」
ギルバート様は、私の目を見つめながらそうおっしゃる。だけど、その目は何処となく泳いでおり、しっかりと目を合わせてくださらない。……それは、いつものことだけれど。
「そ、その、そういうことじゃ、ないです……」
一緒にいる時間は、確かに少なくなっている。それは真実だけれど、ギルバート様のお仕事が忙しいので無理は言えない。それくらい、分かっている。その点でわがままを言うつもりはないし、喚くつもりもない。
「じゃ、じゃあ、俺のことが、嫌いになったのか……? やっぱり、こんな年上とは婚姻したくないのか?」
……どうして、ギルバート様がそんなことをおっしゃるの? 普通、逆じゃない。ギルバート様が十五歳も年下の私との婚姻を嫌がるはずじゃない。……ギルバート様は、私にはもったいないくらいの素敵なお方だもの。
「……そういうことでも、ない、です」
ちょっと、隠し事をされているということに傷ついただけ。そう言おうかと思ったけれど、やっぱり言えない。私の目は泳ぎ、胸の前で手を握りしめてしまう。クレアが、私たちのことをはらはらとしたような表情で見つめているのが、分かる。……ごめんなさい。心配を、かけて。
ギルバート様は、執務室の中にある休憩スペースに私のことを手招きしてくださる。だから、私はお茶を持ってそちらに向かう。クレアも、ついて来てくれている。クレアの顔を見れば、何処となく微妙そうな表情を浮かべていた。
「……あ、あの、私、失礼、いたします」
お茶だけを渡したら、撤退しよう。ギルバート様、やっぱり慌てられているみたいだし……。そう思って私が立ち去ろうとすれば、ギルバート様は「シェリル?」と私の顔を覗き込んで名前を呼んでくださる。……言えるわけがない。だって、言ったら面倒な女だって思われちゃうもの。
「……い、いえ、その、ギルバート様には、関係ない、です」
それは、自分に言い聞かせるような言葉だった。そう、私が勝手にショックを受けているだけ。つまり、ギルバート様には関係ない。そういう意味の言葉だったのに、ギルバート様は露骨に寂しそうなお顔をされる。……そんな表情をされると、胸が痛んでしまう。
「シェリル。俺、何か悪いことをしたか? 確かに、最近一緒にいる時間が少なくなってしまったが……」
ギルバート様は、私の目を見つめながらそうおっしゃる。だけど、その目は何処となく泳いでおり、しっかりと目を合わせてくださらない。……それは、いつものことだけれど。
「そ、その、そういうことじゃ、ないです……」
一緒にいる時間は、確かに少なくなっている。それは真実だけれど、ギルバート様のお仕事が忙しいので無理は言えない。それくらい、分かっている。その点でわがままを言うつもりはないし、喚くつもりもない。
「じゃ、じゃあ、俺のことが、嫌いになったのか……? やっぱり、こんな年上とは婚姻したくないのか?」
……どうして、ギルバート様がそんなことをおっしゃるの? 普通、逆じゃない。ギルバート様が十五歳も年下の私との婚姻を嫌がるはずじゃない。……ギルバート様は、私にはもったいないくらいの素敵なお方だもの。
「……そういうことでも、ない、です」
ちょっと、隠し事をされているということに傷ついただけ。そう言おうかと思ったけれど、やっぱり言えない。私の目は泳ぎ、胸の前で手を握りしめてしまう。クレアが、私たちのことをはらはらとしたような表情で見つめているのが、分かる。……ごめんなさい。心配を、かけて。