【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……そう言ってもらえて、よかった」

 そんなギルバート様のお言葉は、消え入りそうなほどとても小さくて。それでも、ギルバート様が本気でそう思ってくださっているということは、とてもよく伝わってきて。だから、私はまた笑う。その笑みを見たからか、ギルバート様は露骨に視線を彷徨わせていらっしゃった。……やっぱり、不器用なお方。

「シェリル。……その、だな」

 そして、ギルバート様がそうおっしゃったときだった。

 執務室の扉を誰かが慌ただしくノックした。それに、現実に引き戻される私とギルバート様。……このノックの仕方は、多分サイラスさんね。

「どうした、サイラス」

 どうやら、ギルバート様も同じように想っていらっしゃったらしく、扉に向かってそう叫ばれる。そうすれば、扉が開いてサイラスさんが入ってきた。その後「お取込み中、失礼いたします」と言って、一礼をする。

「……エリカ嬢が、どうにも熱を出してしまったようでして……その、どうすればいいかと、思いまして」

 サイラスさんは、何処となく視線を彷徨わせながら私にそう言ってくる。……エリカが? そういえば、心ここにあらず状態だったものね。……疲れていたの、かもしれない。
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