【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……嫉妬は、見苦しいですよ」

 私がいろいろな感情を胸の中で燻らせていると、サイラスさんは不意にそんなことを言っていた。嫉妬。その単語を私が脳内でかみ砕いていれば、ギルバート様は「うるさい!」と叫ばれていた。

「そりゃあ、嫉妬もするだろ! シェリルはこんなにも可愛らしいんだ。……変な輩に目を付けられるかと思ったら、気が気じゃない」
「そんなの、今更でしょう」
「それでも、だ」

 ギルバート様は、そうおっしゃって私に微笑みかけられた。……私、もう街には何度か出ているのだけれど? そういう意味を込めてギルバート様を見つめれば、ギルバート様は少し照れたように頬を染められていて。……そのお姿が、何処となく可愛らしく見えてしまって私の胸がきゅんとしてしまった。……多分、これにきゅんとするのは私だけだろうな。それだけは、分かった。

「あ、あの、ギルバート、様」

 私は、恐る恐ると言った風にギルバート様にそう声をかける。そうすれば、ギルバート様は私に視線を向けてくださって。だから、私はそんなギルバート様の腕に抱き着いてみた。

「しぇ、シェリル……?」
「私、ギルバート様一筋ですよ」

 普段ならば恥ずかしくて言えない言葉も、今日は何故か言えた。それに……。

「それに、ギルバート様が守ってくださいます……よね?」

 私一人じゃどうにもならなくても、ギルバート様がいざとなったら守ってくださる。それを、私は分かっている。だから、そう言った。その言葉はギルバート様にしっかりと伝わっていたらしく、ギルバート様は「……もちろんだ」と言ってくださる。

「……俺は、シェリルのことを絶対に守るからな」

 ギルバート様のその手が、私の髪に触れる。その感覚が何処かこそばゆくて、私は目を閉じた。側では、サイラスさんが「……やれやれ」と言った風に声を上げていたけれど、それには気が付かないフリをした。
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