ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
気にしないと言ってしまったのは私だ。今日は墓穴を掘ってばかりいる。
おずおずと右手を差し出すと和馬が大事そうに両手で包んだ。
「綺麗な手」
「普通だよ」
「この手がごつい一眼レフカメラを持つのが格好いいと思った」
和馬が静かな口調で言った。昔を思い出すように細められた瞳。
「きみの撮る夜の風景が好きだったよ」
「……もう何年も撮ってない」
ふっと微笑み、和馬が私の手の甲を撫でた。
「今の月子は、スマホは頻繁に構えてるよ。アルバムが真優紀だらけだものね」
「和馬のスマホだって、真優紀の写真だらけじゃない。知ってるよ」
「はは、成長の瞬間を逃したくなくて」
その笑顔につられて、私も笑った。
「月子、いつかまた写真撮影の趣味を復活させようよ。今は忙しくてなかなかできないかもしれないけど」
「夫婦の老後の趣味みたいな言い方しないで。私は和馬とよりを戻すとは言ってない」
拒否の言葉は以前より力をなくしている。別れた経緯の真実を和馬は知っているし、今、よりを戻すことに対する不安があることも伝えてある。
伝えていないのは私の本当の気持ちだけ……。
「俺はいつまでだって待てるよ。愛を試されてるみたいで燃えるしね」
「気持ち悪いわよ……」
「なんとでも。好きだよ、月子」
そう言って、和馬は私の右手の甲にキスを落とした。騎士が忠誠を誓うような所作に、不覚にも胸が高鳴っていた。
おずおずと右手を差し出すと和馬が大事そうに両手で包んだ。
「綺麗な手」
「普通だよ」
「この手がごつい一眼レフカメラを持つのが格好いいと思った」
和馬が静かな口調で言った。昔を思い出すように細められた瞳。
「きみの撮る夜の風景が好きだったよ」
「……もう何年も撮ってない」
ふっと微笑み、和馬が私の手の甲を撫でた。
「今の月子は、スマホは頻繁に構えてるよ。アルバムが真優紀だらけだものね」
「和馬のスマホだって、真優紀の写真だらけじゃない。知ってるよ」
「はは、成長の瞬間を逃したくなくて」
その笑顔につられて、私も笑った。
「月子、いつかまた写真撮影の趣味を復活させようよ。今は忙しくてなかなかできないかもしれないけど」
「夫婦の老後の趣味みたいな言い方しないで。私は和馬とよりを戻すとは言ってない」
拒否の言葉は以前より力をなくしている。別れた経緯の真実を和馬は知っているし、今、よりを戻すことに対する不安があることも伝えてある。
伝えていないのは私の本当の気持ちだけ……。
「俺はいつまでだって待てるよ。愛を試されてるみたいで燃えるしね」
「気持ち悪いわよ……」
「なんとでも。好きだよ、月子」
そう言って、和馬は私の右手の甲にキスを落とした。騎士が忠誠を誓うような所作に、不覚にも胸が高鳴っていた。