ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
翌日のことだ。
私は例のプロジェクトに従事しているので、それなりに業務が多い。ミーティングも頻繁で、さらに時短勤務の間に仕事を進めたいと思うと常にフル回転で働いている。

「月子先輩、お昼くらいは外に出ましょうよ~」

桜田さんは心配して言ってくれるのだが、私にはその暇がない。

「お誘いありがとう。でも、この時間にメールの返信しちゃいたいから」
「やっぱりオーバーワークになってると思うんです。無理せずにできないことは他に回しちゃった方がいいですって」
「かなり回させてもらってるから、大丈夫」

この仕事を成功させたいのだ。小さい子どもを抱える社員のモデルケースとして加えられたプロジェクト。だけど、私は自分にできることを果たしたい。自分で自分の力を信じたい。

「それじゃあ、お土産買ってきます! 会社の近くにドーナツ店できたでしょう。ほら、アメリカから初上陸の」
「ああ、行列できてるところ?」
「そこでお土産のドーナツ買ってきます!」
「え! 並んでたら、桜田さんがお昼食べ損ねちゃうよ?」

桜田さんはふふっと悪い顔で微笑む。

「大丈夫です。私のお昼はあの店のドーナツを四つって決めてるんです」

どうやら、自分のランチのついでに買ってくれるようだ。しかし、ドーナツを四つもお昼ご飯にできるなんて、若さを感じる。
桜田さんが出かけていき、私は朝にぎったおにぎりをかじりながらメールを返した。こんぶと甘塩鮭。同じものを和馬にも持たせてある。

(お昼を持たせるなんて、いよいよ夫婦みたいになってきてる)

でも、病院では事実婚の夫婦という設定で……。色々考えて、そんな場合ではないと思考を仕事に戻した。
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