大嫌い同士の大恋愛 ー結婚狂騒曲ー
午後からは、他の班の企画書の確認。
隙を見て、再び、四班の分にも手をつける。
分厚い企画書は、確認するだけでも骨なのに、そこから疑問点を洗い出すのは、さすがにしんどい。
――でも、片桐さん達が、気合いを入れて考えてきたものなのだ。適当な事はできない。
再び付箋を貼りながら、作業を進めて――いつの間にか、終業時間も超えていた。
私は、顔を上げ、目の間を指で押さえる。
さすがに、疲れた。
頭も固まりつつあるので、今日は、もうやめようか。
今日は金曜。
江陽と約束している訳ではないけれど――先に終わったようだから、もしかしたら、待っている?
たぶん、土日は一緒に過ごす事になるだろうが、昨日の今日だ。
私は、帰り支度をすると、エレベーターで一階まで下りる。
そして、社屋を出て辺りを見回すが、ヤツの姿は見えない。
――まあ、後で連絡すれば良いわよね。
そんな事を思いながら、帰路につく。
今日は、聖は、何か用事があるとの事なので、一人の帰り道。
――何だか、久し振り。
いつも、誰かしらと帰っている気がして――昔を思い出す。
これまで、友人という友人もいなかった私は、一人で行動するのは当たり前。
帰宅だって、いつも一人で――だからこそ、最初に聖と一緒に帰るという事にも、違和感があった。
――同じトコに帰るんだよー?一緒に帰ろうよー!
けれど、あっさりとそう言われ、そういうものなのかと、目から鱗が落ちたものだ。
そんな事を思いながら、足は、勝手にマンションへと到着し、中へと入る。
そして、エレベーターの三階のランプがつき、ドアが開くと――
聖の部屋から、男性が出てきた。
――……え??
……あれ……?
……コレ……大丈夫……?
約束があるとは言っていた。
でも、どこに行くとは聞いていない。
長身で、傍から見ても、そのガタイの良さはすぐにわかる。
そんな男が――聖の部屋で、何をしていた?
私は、以前聞いた、彼女の言葉を思い出す。
――ストーカーまがいは日常茶飯事。
瞬間、背筋に冷たいものが伝う。
すると、硬直している私に気づいたその男は、軽く会釈をしてきた。
――……どう、しよう。
――……聖は……無事なの?
そして、脇を通り過ぎようとする瞬間――思わず、声をかけてしまった。
「――あ、あのっ……」
「ハイ?」
柔らかく、耳障りの良い低音。
けれど、私は、大きく鳴る心臓を押さえ、彼をにらみつけた。
「――な、何の、御用でした……?」
「え?」
「――……今、部屋から、出てきましたよね?」
彼は、キョトンとして私を見下ろす。
身長は、江陽と似たり寄ったりか。
――もし、ストーカーなら……。
自分のバッグのスマホの場所を思い出し、手を伸ばそうとすると、不意に、聖の部屋のドアが開いた。
隙を見て、再び、四班の分にも手をつける。
分厚い企画書は、確認するだけでも骨なのに、そこから疑問点を洗い出すのは、さすがにしんどい。
――でも、片桐さん達が、気合いを入れて考えてきたものなのだ。適当な事はできない。
再び付箋を貼りながら、作業を進めて――いつの間にか、終業時間も超えていた。
私は、顔を上げ、目の間を指で押さえる。
さすがに、疲れた。
頭も固まりつつあるので、今日は、もうやめようか。
今日は金曜。
江陽と約束している訳ではないけれど――先に終わったようだから、もしかしたら、待っている?
たぶん、土日は一緒に過ごす事になるだろうが、昨日の今日だ。
私は、帰り支度をすると、エレベーターで一階まで下りる。
そして、社屋を出て辺りを見回すが、ヤツの姿は見えない。
――まあ、後で連絡すれば良いわよね。
そんな事を思いながら、帰路につく。
今日は、聖は、何か用事があるとの事なので、一人の帰り道。
――何だか、久し振り。
いつも、誰かしらと帰っている気がして――昔を思い出す。
これまで、友人という友人もいなかった私は、一人で行動するのは当たり前。
帰宅だって、いつも一人で――だからこそ、最初に聖と一緒に帰るという事にも、違和感があった。
――同じトコに帰るんだよー?一緒に帰ろうよー!
けれど、あっさりとそう言われ、そういうものなのかと、目から鱗が落ちたものだ。
そんな事を思いながら、足は、勝手にマンションへと到着し、中へと入る。
そして、エレベーターの三階のランプがつき、ドアが開くと――
聖の部屋から、男性が出てきた。
――……え??
……あれ……?
……コレ……大丈夫……?
約束があるとは言っていた。
でも、どこに行くとは聞いていない。
長身で、傍から見ても、そのガタイの良さはすぐにわかる。
そんな男が――聖の部屋で、何をしていた?
私は、以前聞いた、彼女の言葉を思い出す。
――ストーカーまがいは日常茶飯事。
瞬間、背筋に冷たいものが伝う。
すると、硬直している私に気づいたその男は、軽く会釈をしてきた。
――……どう、しよう。
――……聖は……無事なの?
そして、脇を通り過ぎようとする瞬間――思わず、声をかけてしまった。
「――あ、あのっ……」
「ハイ?」
柔らかく、耳障りの良い低音。
けれど、私は、大きく鳴る心臓を押さえ、彼をにらみつけた。
「――な、何の、御用でした……?」
「え?」
「――……今、部屋から、出てきましたよね?」
彼は、キョトンとして私を見下ろす。
身長は、江陽と似たり寄ったりか。
――もし、ストーカーなら……。
自分のバッグのスマホの場所を思い出し、手を伸ばそうとすると、不意に、聖の部屋のドアが開いた。