大嫌い同士の大恋愛 ー結婚狂騒曲ー
それから、聖とともに、想真さんを見送ると、私は彼女を見やる。
「……聖、何で言ってくれなかったのよ……」
「え?」
「お兄さん……ワールドスパイスの企画の方だなんて……」
「うん。でも、アタシは、アタシだもん。まあ、想兄ちゃんの影響も、少しはあるけどさー」
聖の言葉に、私はバツが悪くなる。
大体、世間的には、大して珍しい話でも無いだろう。
必要以上に、警戒してしまったのは――自分も、同じ仕事だから。
「え、ええ……それは……そう、うよね……。――ごめんなさい……」
それに、考えてみれば、私の事情は伝えた事もあるが、聖の身内の話は、サラリと流しただけだ。
話したいと思った時に、聞こうと思っていて――結局、その機会が無かったもの。
「想兄ちゃんはさ、アタシがいろいろ巻き込まれた時、保護者代わりに警察について来てくれたりして――一番、気にかけてくれてるんだー」
「――ああ、そうね。……アンタも、いろいろ大変だものね……」
私は、以前に聞いた聖の事情――その美貌ゆえ、ストーカー被害など、日常茶飯事だったらしい――を、思い出し、うなづく。
すると、聖は、珍しく大きなため息をついた。
「聖?」
「……んー……たぶん、そのせい、なんだよねぇ……」
「え?」
「――想兄ちゃん、見合い話持って来たのー……」
「――は??」
私は、驚いて、聖を見上げる。
彼女は、眉を下げ、苦笑いで返した。
「……まあ、いよいよアラサーだからねぇ……。変な男に引っかかるくらいなら、自分が認めた男と結婚した方が、安心できるって言ってさー……」
聖は、これ見よがしに肩を落とす。
そして、自分の部屋のドアを開けた。
「まあ、羽津紀は気にしないでー。ちゃんと断ったし」
「――で、でも、お兄さん、アンタの事心配して……」
「それとコレとは関係無いよ」
珍しく、強い口調に私は、目を丸くした。
「アタシ、自分の身を守る為に、結婚したいなんて思ってないもん」
「――聖」
「羽津紀と江陽クン見てたらさ、アタシも、そういう――素を出しても一緒にいられる人に、出会いたいなーって」
そして、じゃあね、と、聖は、微笑んで自分の部屋に入って行った。
私は、しばし、呆然としたが、我に返ると隣の部屋のドアを開け、中に入る。
――そんな風に見られていたなんて……。
以前は、聖には、男が途切れた事が無かったが――私と江陽が巻き込まれた事件のせいで、考えが変わったと言っていた。
あれから、彼女に恋人ができたとは聞いていない。
そもそも、そんな風だったら、毎日私とベッタリはしていないだろう。
だからこそ、その言葉が本心だと思えた。
――聖にも――いつか、そんな人が現われたら良いのに。
私は、そんな事を思いながらも、帰宅後のルーティンをこなしていった。
「……聖、何で言ってくれなかったのよ……」
「え?」
「お兄さん……ワールドスパイスの企画の方だなんて……」
「うん。でも、アタシは、アタシだもん。まあ、想兄ちゃんの影響も、少しはあるけどさー」
聖の言葉に、私はバツが悪くなる。
大体、世間的には、大して珍しい話でも無いだろう。
必要以上に、警戒してしまったのは――自分も、同じ仕事だから。
「え、ええ……それは……そう、うよね……。――ごめんなさい……」
それに、考えてみれば、私の事情は伝えた事もあるが、聖の身内の話は、サラリと流しただけだ。
話したいと思った時に、聞こうと思っていて――結局、その機会が無かったもの。
「想兄ちゃんはさ、アタシがいろいろ巻き込まれた時、保護者代わりに警察について来てくれたりして――一番、気にかけてくれてるんだー」
「――ああ、そうね。……アンタも、いろいろ大変だものね……」
私は、以前に聞いた聖の事情――その美貌ゆえ、ストーカー被害など、日常茶飯事だったらしい――を、思い出し、うなづく。
すると、聖は、珍しく大きなため息をついた。
「聖?」
「……んー……たぶん、そのせい、なんだよねぇ……」
「え?」
「――想兄ちゃん、見合い話持って来たのー……」
「――は??」
私は、驚いて、聖を見上げる。
彼女は、眉を下げ、苦笑いで返した。
「……まあ、いよいよアラサーだからねぇ……。変な男に引っかかるくらいなら、自分が認めた男と結婚した方が、安心できるって言ってさー……」
聖は、これ見よがしに肩を落とす。
そして、自分の部屋のドアを開けた。
「まあ、羽津紀は気にしないでー。ちゃんと断ったし」
「――で、でも、お兄さん、アンタの事心配して……」
「それとコレとは関係無いよ」
珍しく、強い口調に私は、目を丸くした。
「アタシ、自分の身を守る為に、結婚したいなんて思ってないもん」
「――聖」
「羽津紀と江陽クン見てたらさ、アタシも、そういう――素を出しても一緒にいられる人に、出会いたいなーって」
そして、じゃあね、と、聖は、微笑んで自分の部屋に入って行った。
私は、しばし、呆然としたが、我に返ると隣の部屋のドアを開け、中に入る。
――そんな風に見られていたなんて……。
以前は、聖には、男が途切れた事が無かったが――私と江陽が巻き込まれた事件のせいで、考えが変わったと言っていた。
あれから、彼女に恋人ができたとは聞いていない。
そもそも、そんな風だったら、毎日私とベッタリはしていないだろう。
だからこそ、その言葉が本心だと思えた。
――聖にも――いつか、そんな人が現われたら良いのに。
私は、そんな事を思いながらも、帰宅後のルーティンをこなしていった。