大嫌い同士の大恋愛 ー結婚狂騒曲ー
その後、聖は私を心配してくれたのか、部屋に泊まってくれた。
布団を隣に敷いて、他愛の無い話や昔話に花を咲かせ――気がつけば、明け方まで二人で笑い合って。
――きっと、目を閉じたら、考えたくも無い事を考えてしまう。
そう思うと、ありがたかった。
「……おはよー、羽津紀ー」
「……おはよう、聖……」
結局、眠ったのは二、三時間ほど。
ベッドで起き上がった私は、ぼうっとしながら聖と挨拶を交わした。
睡眠不足は、美容に悪いのではないかと冷や冷やしたが、聖はケロッとして支度に立ち上がる。
「アタシ、自分のトコでメイクしないとだから、ご飯だけ食べるねー」
「ハイハイ。手伝ってよ」
「うん!」
ゆっくりとベッドから下りると、朝食の準備を簡単に済ませ、二人で食べた。
そして、聖は部屋を後にし、私は、自分の支度を始める。
洗面台の鏡を見やれば、真っ赤に腫れた目と、ボロボロの肌。
――どうにか、ごまかさないと。
いつまで経っても上達しないメイク技術を駆使してはみるが、十五分でギブアップ。
すると、聖の方が先に終わったのか、インターフォンが鳴った。
『羽津紀ー?行くよー?』
「……ま、待って、まだ……」
『え?』
驚いている聖を再び部屋に入れると、私は、作業途中の顔を見せ、助けを求める。
「……私の技術じゃ、これが限界……」
「うん、任せて!」
聖は、張り切って、自分の部屋から使い慣れた道具を持って来た。
「羽津紀をメイクするなんて、久々だねー」
「……そうね」
以前は、江陽とのデートの度に、お世話になっていたのだ。
ようやく、自分の手で、何とか賄えてきたと思ったのに――。
「……ねえ、羽津紀ー」
「え?」
メイクを終え、聖が鏡を見せながら私を見やる。
「……もしかして……別れちゃった……?」
「――え」
最低限の言葉。
でも――もう、それが、真実なのだ。
私が言うまでもなく、聖は気づいていた。
「……ごめんなさい……」
「謝らなくていいけど……聞いても良い?」
鏡を見つめ、そして、目を伏せる。
言葉にすると、現実を突きつけられそうで――言いたくないけれど……。
でも、聖には、隠しきれないだろう。
私は、彼女を見やると、できる限り簡潔に伝えた。
布団を隣に敷いて、他愛の無い話や昔話に花を咲かせ――気がつけば、明け方まで二人で笑い合って。
――きっと、目を閉じたら、考えたくも無い事を考えてしまう。
そう思うと、ありがたかった。
「……おはよー、羽津紀ー」
「……おはよう、聖……」
結局、眠ったのは二、三時間ほど。
ベッドで起き上がった私は、ぼうっとしながら聖と挨拶を交わした。
睡眠不足は、美容に悪いのではないかと冷や冷やしたが、聖はケロッとして支度に立ち上がる。
「アタシ、自分のトコでメイクしないとだから、ご飯だけ食べるねー」
「ハイハイ。手伝ってよ」
「うん!」
ゆっくりとベッドから下りると、朝食の準備を簡単に済ませ、二人で食べた。
そして、聖は部屋を後にし、私は、自分の支度を始める。
洗面台の鏡を見やれば、真っ赤に腫れた目と、ボロボロの肌。
――どうにか、ごまかさないと。
いつまで経っても上達しないメイク技術を駆使してはみるが、十五分でギブアップ。
すると、聖の方が先に終わったのか、インターフォンが鳴った。
『羽津紀ー?行くよー?』
「……ま、待って、まだ……」
『え?』
驚いている聖を再び部屋に入れると、私は、作業途中の顔を見せ、助けを求める。
「……私の技術じゃ、これが限界……」
「うん、任せて!」
聖は、張り切って、自分の部屋から使い慣れた道具を持って来た。
「羽津紀をメイクするなんて、久々だねー」
「……そうね」
以前は、江陽とのデートの度に、お世話になっていたのだ。
ようやく、自分の手で、何とか賄えてきたと思ったのに――。
「……ねえ、羽津紀ー」
「え?」
メイクを終え、聖が鏡を見せながら私を見やる。
「……もしかして……別れちゃった……?」
「――え」
最低限の言葉。
でも――もう、それが、真実なのだ。
私が言うまでもなく、聖は気づいていた。
「……ごめんなさい……」
「謝らなくていいけど……聞いても良い?」
鏡を見つめ、そして、目を伏せる。
言葉にすると、現実を突きつけられそうで――言いたくないけれど……。
でも、聖には、隠しきれないだろう。
私は、彼女を見やると、できる限り簡潔に伝えた。