仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
私の名前は、七海 沙羅(ななみ さら)     。

大手リゾート開発会社アジアンリゾートに入社して3年目。



私には会社に秘密にしている恋人がいる。


篠宮 蓮(しのみや れん)、私の上司でもあり経営企画部課長。
企画部のエース的存在で部下からも人望が厚く、その風貌から王子と噂されている。
私達の出会いは私が新入社員の時、彼は実務研修の担当だった。
彼に仕事の悩みを相談したのがきっかけで徐々に親しくなっていったのだ。

そしてその彼が社内で内緒にしている私の恋人だ。
付き合い始めた頃まだ新入社員だった私は皆に知られないようにして欲しいと蓮に頼んだのだ。

私達は1年前から同棲も初めて、そろそろ結婚の話が出ても良い頃だと私は期待していた。



しかし、遡ること1週間前。

彼はいきなり急用で実家に帰らなくてはならないと言って家を出たのだ。
暫く戻れないかも知れないと、なぜかかなりの荷物を運び出した。


そして昨日、彼は久しぶりに連絡をくれて、お洒落をしてこのチャペルに来るようにと言ってきた。
私はとうとう結婚の話だと思い、ウキウキと天にも昇る気持ちでここに来たのだ。


しかし、このチャペルには同じ会社の人達がたくさん集まっていたのだ。
どうやら同僚の結婚式が今日行われるらしい。



知らされていないのは私だけ?



私はその後その真実を知り、いきなり深い深い地の底までつき落とされることになったのだ。



なんと自分の恋人と後輩の結婚式がここで行われることになっている。

私はこの現実を信じられず、夢を見ているのだろうと何度も自分の頬を叩いてみた。
叩いた頬にはしっかり痛みがある…どうやらこれは夢ではない。


受け入れたくないがこれは全てが事実のようだ。


今思えばここ最近、彼は会社の用事や接待があると言って休日に外出をしていた。
そして帰れなくなったと外泊も数回あったのだ。


彼を疑わず信じていた私は全く気が付かなかった。


それはすべて彼女とデートの為だったのだろうか。


確かに後輩の、間宮 茜(まみや あかね)はこの会社の親会社にあたるアジアングループ会長の姪だと聞いている。
お嬢様であり、ふわふわとした甘い雰囲気の女の子。

男性なら守ってあげたい女の子だろうし、彼女と結婚すれば将来の地位も安泰だ。

< 2 / 143 >

この作品をシェア

pagetop