仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
披露宴が始まり、新郎新婦が各テーブルにキャンドルを灯しに回って来る。
皆が拍手で祝福する中、幸せそうな二人の笑顔。
音楽がうるさく頭にガンガン響いて来る。
そして、とうとう私の座っているテーブルへと二人はやって来た。
皆が祝福する中、はにかむように見つめ合う二人。
…なんなのこれは…
私の座るテーブルにキャンドルを灯すと二人は嬉しそうにお辞儀をして次のテーブルへと向かう。
どこを見て良いのか分からない。
…恐くて見れない。
私は俯き顔を上げる勇気はない。
蓮はどんな顔しているのだろう。
あの優しい微笑をその新婦に向けているの?
その笑顔は私だけのものではなかったの?
なんだか急に吐き気がしてきた。
もう充分でしょ…私、よく頑張ったよね。
吐き気と眩暈でもうこれ以上はここにいられない。
私はそっと席を立ち会場から外へ出た。
会場の外にソファーがあり、私は崩れ落ちるようにソファーに腰を下ろした。
吐き気と眩暈、おまけに頭痛までしてくる始末。
大きく息を吐いたその時
私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
その声はいつも近くで聞いていたよく知っている声。
すぐに蓮の声だと分かる。
「…沙羅、大丈夫か?」
蓮はお色直しのタイミングで会場を出てきたようだ。
しかし、今さら私に何を言いに来たのだろう。
よく私に声を掛けられたと感心するほどだ。
「…大丈夫な訳ないよね!」
蓮は私の目の前に回り込み跪いた。
「沙羅…本当にごめん…君を騙すつもりは無かったんだ。…信じてくれ愛しているのは沙羅だから…結婚はしたけど僕らの関係は終わらせたくないんだ。」
この男はいったい何を言っているのだろう。
呆れて言葉も見つからない。
「悪いけど…蓮…いいや篠宮課長、私はあなたの愛人なんて冗談じゃないわ…おめでとう、せいぜいお幸せに!」
私がソファーから立ち上がり歩き出そうとすると、蓮は私の腕を掴もうとする。
「私に触らないでください。篠宮課長!」