仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
「北斗…前原社長はこのまま引き下がらないだろう…あの男は何をしてくるか分からないぞ。…お前は七海さんと会社を守れるのか?」
「…はい。沙羅と会社は僕が必ず守ります。」
少しの間、目を閉じた大作はゆっくりと目を開けると北斗を真っすぐ見た。
「私は認めたわけでは無い。ただ、お前がどこまで七海さんとこの会社を守れるか見ものだな。…そこまで言うならやってみろ。」
「はい。必ず沙羅も会社も守って見せます。」
すると大作は静かに頷き、ゆっくりと歩き出した。
大作が去った後、気が付けばロビーに黒山の人だかりができていた。
そして、皆が霧島社長と沙羅に注目しているではないか。
ここで話した内容はもちろん皆にも聞こえていた。
霧島社長はなぜかふっと小さく笑うと、ロビーの人達に向かって向きを変えた。
「話は聞こえていただろうけど、私は七海沙羅さんと結婚する予定だ。…どうか温かく見守ってもらえないだろうか。」
ロビーの人達は少しの間沈黙していたが、ポツポツと拍手をする人が出て来た。
そして拍手はだんだんと大きくなっている。
「霧島社長、七海さん、おめでとうございます。」
笑顔で祝福を言ってくれる人たちもいるが、それはおおよそ半分くらいの人達だ。
残りの人達は怪訝な表情をしている。
特に女性たちは沙羅に突き刺さるような視線を送っていた。