仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです

そこに立っていたのは、二つ星不動産の社長令嬢である前原百合だったのだ。

百合は逃げ出した沙羅を見ると、不気味に口角を上げてとんでもない言葉を吐くように出した。


「…ちっ、あの篠宮という男、本当に使えないわね…うちの会社に引き抜いてやるはずだったのに…もういらないわ。」


なんと蓮は百合に言われて私の所に来たようだ。
きっと甘い言葉を言われて騙されて来たのだろう。


気づけば沙羅は靴も履かず、何も持たずに外へ逃げ出していた。

頭の中が真っ白になり、沙羅はただただ道を裸足でとぼとぼと歩くことしかできなかった。
蓮と百合は追いかけては来ないようだが、家に帰ることは出来ない。


どの位の時間が経ったのだろう。
沙羅が一人で歩いていると、後ろから誰かが声をかけた。

「君、大丈夫ですか?」

沙羅が振り返ると、そこにはスーツを着た背の高い男性が立っていた。
はっきり覚えていないが、どこかで見たような気がすると沙羅は感じていた。

振り返った沙羅を見てその男性は驚いた声を挙げる。


「君は…確か北斗の秘書をしている子だよね。」


霧島社長を北斗というこの男性は誰なのだろうか。
沙羅が怯えた表情をしたのでその男性は慌てて自己紹介をする。



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