仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
沙羅はこんな状況の時に不謹慎と思いつつも、北斗の優しさがとても嬉しかった。
北斗に本当に愛さる女性はどれだけ幸せなのだろうと思うのだった。
北斗は太一達と今後の打ち合わせがあり早めに家を出てしまうので、専属運転手である庄司が北斗のマンションまで沙羅を送ってくれることになった。
「沙羅さん、お迎えに参りました。」
運転手の庄司が沙羅に笑顔で声をかけた。
なんだか安心する笑顔だ。
そして沙羅は玄関まで送ってくれた里香に笑顔で頭を下げた。
「大変お世話になりました。温かいスープもとても美味しくて…ありがとうございました。」
里香は沙羅に向かって満面の笑みを浮かべて手を振った。
「沙羅さん、困った事が有れば頼ってくださいね。また遊びに来てね。」
運転手の庄司は車を走らせながら、沙羅をバックミラー越しにチラリと見た。
「ご無事でなによりでした。大変でしたね。お話を伺い驚きました。」
「…なんだか皆さんにご迷惑をお掛けしてしまい…申し訳ございません。」
「安心して大丈夫ですよ。これからのことは社長が何とかしてくれるでしょう。あの方は信頼できるそういうお方ですから。」
沙羅は社長や会社のみなさんに迷惑をかけてしまった事で自分が情けなくも感じていた。
庄司の優しさに頷きながらも苦しそうな表情をしたのだった。
「沙羅さん、あなたのせいじゃありませんよ。誰も迷惑だなんて思っていませんから大丈夫ですよ。」
「…ありがとうございます。」