仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
その数日後、北斗が言った二つ星不動産の不正入札の件はマスコミが争うように報道を始めた。
連日、テレビやネットでもその話で持ちきりになった。
さらに『前原社長とその令嬢逮捕』という記事が発表された。
前原社長は項垂れた状態でパトカーに乗せられていたが、娘の百合は最後まで警察官に罵声を飛ばして反発する姿を撮られていた。
蓮を操っていた百合も逮捕されたことで、沙羅は今日から仕事に復帰だ。
「皆さま、大変ご迷惑をいおかけいたしました。」
秘書課で沙羅が頭を下げると、盛大では無いがパチパチと数名が手を叩いてくれた。
しかし、秘書課の城ケ崎京子は納得いかない表情でポツリと言葉を出した。
「仕事はちゃんとできるのかしらね。」
以前の沙羅だったら城ケ崎の言葉に心を痛めて落ち込んだだろう。
しかし、今は何を言われてもしっかり自分の仕事をすることが北斗への恩返しと思っている。
落ち込むより仕事をして認めてもらえるよう頑張るしかないと思っていた。
社長室では北斗と高柳が笑顔で沙羅を迎えてくれた。
「社長、高柳さん、本日からまたよろしくお願い致します。」
沙羅が二人に挨拶すると、先に声を出したのは高柳さんだった。
「今日からますます忙しくなりますよ。七海さんビシビシと厳しくいきますからね。」
北斗も高柳の言葉に大きく頷いた。
「二つ星不動産との取引がなくなる代わりに、新しい取引先が増えているんだ。よろしく頼むな。」
「はい。」