仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです

凍るほど冷やした甘口の日本酒。
口当たりがよく、どんどん進んでしまう。

食欲は無いが、酒のつまみに出してくれたピンチョス風のつまみは食べやすく、生ハムやサーモンなどとても美味しい。
わさび醤油などのアクセントで独特な和風の味付けになっていて何とも言えずお酒が進む味だ。

初めはアルコールを飲んでいない霧島社長に遠慮をしていたが、いつしか優しく何も言わずに愚痴を聞いてくれる社長に蓮への八つ当たりまでしていたようだ。

私はきっと誰かに聞いて欲しかったのだろう。
苦しくやるせない気持ちは全部吐き出してした。

その頃まで記憶があるが、その店を出たくらいから沙羅は殆んど記憶をなくしてしまったようだ。




頭が割れるように痛い。
これは典型的な二日酔いだ。
しかも吐き気もする。


私は重い瞼を静かに開けてみた。


眩しい光が目に飛び込んでくる。


すると、見たこともない天井がぼんやりと見えて来た。


あれ…ここはどこだろう。


寝起きの目を擦って辺りを見渡した時、一気に眠気が吹っ飛ぶほどの衝撃を目にするのだった。



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