女王陛下は溺愛禁止!
 もし自分に叔父さえも納得できる力量や求心力があれば、叛乱などなかったはずだ。
 あるいは、提案された婚姻を受け入れていれば。
 叛乱を避けられたかもしれない要因を探っては自分を責める。

 ふっきれたように思っても、ときおり顔を覗かせては心を沈ませる。
 そうするうちに、自分に幸せになる資格などないと思うようになっていた。
 思考は迷宮を巡る。

 こんな自分をラドウィルトはどう思うだろう。
 迷ったとき、アンジェリアはいつもラドウィルトを思った。

 彼の前に堂々と立てる答えはなにか。
 支えてくれた彼に恥じぬ自分でありたかったから。

 彼はクライドとの結婚を祝福してくれるだろうか。
 だが、昼間にクライドとの結婚を話したときには彼は乗り気ではなかった。

 どうしてだろうか。
 彼が祝ってくれたなら、安心して結婚へと進めただろうに。

 だけど。
 アンジェリアの思考がふとつまずく。

 本当に、そうだろうか?
 ラドウィルトに祝福されて花嫁衣裳に身を包み、クライドとともに神殿の花道を進む自分が頭に浮かぶ。

 だが、どこか空々しくて、胸がつきんと痛んだ。
 どうして。
 痛む原因がわからなくて、アンジェリアは月を見上げる。
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