女王陛下は溺愛禁止!
 がんがんと鳴る頭をおさえ、ラドウィルトはエアをにらんだ。
「わざとやっているだろう」
「わかるぅ?」
 ふざけた声にラドウィルトは渋面を作り、アンジェリアはまた苦笑する。

「城下では暗殺未遂で民衆が大騒ぎのようだな」
「特に女性が色めきたっているそうです。クライド殿下の美形っぷりは周知。その殿下が陛下を守った展開に心をときめかせているのだとか」
「みな恋の話が好きよな」
 アンジェリアはため息をついた。

「今朝の議会が大きくもめたから、市民からも責めがあるかと思ったが、そうではないようで良かった」
「そのように新聞に報道させたせいもありますからね。クライド殿下の男気をほめたたえる記事ばかりです。王室の警備の不備については書かせていません」

「思い通りに踊ってくれる民衆ばかりではないが……まあ、荒れるよりは」
 苦いものを飲むように、アンジェリアはつぶやいた。
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