女王陛下は溺愛禁止!
「まだ他国の王族でおられる御身。我が国の内向きには口を挟まれませんよう。しかしながら殿下を狙った者については、何者であっても厳重なる処分をいたします」
「承知いたしてございます」
 クライドが口元に笑みを浮かべ、ぐっとアンジェリアを抱き寄せ、耳元で囁く。

「できましたらつききりで看病いただきたいものです」
「離せ!」
 アンジェリアはばっとふりほどき、クライドの苦笑を見る。

「せっかくケガを負ったのですから、役得をいただきたいものですが」
「女が不足と言うことでしたら、娼妓なりと派遣いたしましょう」
「無粋をおっしゃる。女ではなく陛下を欲しておりますが……いえ、今はまだ大人しくしておりましょう」
 クライドの余裕の笑みに、アンジェリアは不快さを隠さず彼をにらむ。

「調査は私情をはさまず行います。クライド殿はいろいろ不調があるご様子の上、我らについての公式の発表は貴殿がご帰国されたあととなりますでしょう、それまでは軽々に口にされることのなきよう、お願い申し上げます」
「心得てございます」
 クライドの返事に、彼女は辞去の挨拶をして退室した。

 待機していたラドウィルト見て、アンジェリアは悲しく顔をしかめる。
「いかがされました」
 怪訝に尋ねる彼に、アンジェリアは険しい顔で告げる。
「ラドウィルト。お前を拘束する」
 その言葉に、彼は今までに見たことがないほどの驚きを見せた。
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