女王陛下は溺愛禁止!
「落ち着いておくれ。いっきに聞かれても答えられないよ」
 マリオンは食事よりも先にお茶を用意させ、ドローイングルームで彼女と話をする。
「ラドウィルト殿に嫌疑がかけられて軟禁されているのは事実。城の警備隊が総出で捜査をしているらしいよ」
 長椅子の隣に座るレイジェリーナは目を丸くした。

「本当に犯人なの?」
「まだわからない。もし情報が入って来ても、公式発表まではなにも言えない」
 レイジェリーナはしょんぼりとうなだれる。

「姉上がどれほどご心痛であられるか。なんとかお助けして差し上げられないでしょうか」
「私は儀典局勤めだからね。なにもできないよ」
 申し訳なさそうにマリオンが言う。

「犯人の本当の狙いもわからないからね。次の事件が起こるのではないかと心配だよ。ラドウィルト殿は本当に陛下によく尽くしておられて……いや、だからなのか」
 マリオンの言葉に、レイジェリーナは彼を見る。

「ラドウィルト殿が陛下をお慕い申し上げ、それで殿下を狙ったという話がある」
「まあ!」
 レイジェリーナは両手で口を覆った。目は複雑な色を宿し、そのまま彼にすがりつく。

「私のせいだったらどうしましょう」
「どうしてだ?」

「クライド殿下にお願いしましたの。どうか姉上と結婚してください、と。そうしたらきっと子を成して、その子が王太子になるでしょう? 私は王位に就くなんて嫌ですし、あの子にも王位を継がせたくありませんの。姉上には悪いのだけど、父上の苦労も姉上の苦労も見ているから、絶対に嫌……叛乱なんてどうしたらいいのかわからないし、そもそも政治なんて無理ですもの」
 レイジェリーナはわっと泣いて顔を覆う。
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