女王陛下は溺愛禁止!
3
夜、アンジェリアは天蓋つきのベッドの中でカンテラを頼りに本を読んでいた。
パタン、と本を閉じると枕元に置き、明かりを消して横になる。
寝息をたて始めたころ、閉じた扉をすり抜けてエアが現れた。そのままアンジェリアに忍び寄る。
カーテンの隙間から月明かりが差し込み、彼女の寝顔を照らしていた。
「かわいい寝顔」
ふふ、と笑ってエアは彼女の唇に自身の唇を近付ける。
「そこまでだ」
男の声がして、剣がつきつけられた。鋭い刀身が月光を反射してきらりと輝く。
「ベッドから離れろ」
「暴力反対!」
エアは距離を取ろうとして後退し、絨毯につまずいて転ぶ。
寝ていたはずのアンジェリアが身を起こし、カンテラに明かりをつけた。
転んだエアに剣をつきつけているラドウィルトの姿が浮かび、アンジェリアはふう、と息をついた。寝たふりをしていただけで、まだ眠ってはいなかったのだ。
「お前の予想通りだったな」
「愛が欲しいとわめいていましたから」
だから彼は許可を得て部屋に潜み、エアが訪れるのを待っていた。
「ひどい。お近づきになりたかっただけじゃん!」
エアは被害者のように情けない声を出す。
「女性に手を出したら封印すると言っただろうが」
「そ、それは、アンジェリア以外ってことかと……」
「そんな言い訳が通用すると思うな」
「俺、神なのに。普通なら神官を呼んで神様だあって祭り上げられて、美人の巫女さんや女神官に囲まれてウハウハで過ごすはずなのに……」
エアは悲し気に訴えかける。