女王陛下は溺愛禁止!
「お前みたいな不審な神は神官を呼んだら、速攻で封印されるぞ」
 あきれたアンジェリアは続けて言う。
「二度と忍んで来るな。今度こそ封印するぞ」
「わかったよう」
 エアは口を尖らせ、ベッドの下に目をむける。

「なんか下にあるよ」
 伸ばそうとした手はアンジェリアの足に、だん! と妨げられた。
「わかったらさっさと出ていけ!」
 エアはびくっとして慌てて部屋を出て行った。

「冷酷な女王が、甘くていらっしゃる」
 ラドウィルトが言う。が、彼は本来のアンジェリアが冷酷とは程遠いと知っている。

「悪意を感じられなかった。本気ではなかったように思う」
「そこが甘いのですが……監視をつけますか」
「ああ、頼む。壁をすりぬける能力があるとは言ってなかったが……二種の魔力を持つだけでも希少だな」

「手の内をすべて明かすこともございませんでしょうから」
「そうだな」
 アンジェリアが頷き、ラドウィルトは剣を鞘にしまった。



 翌夜、ラドウィルトは私室に向かうアンジェリアの一歩後ろを歩きながら報告していた。
「あの者、陛下の予想通りに女性と見れば口説いております。下知(げち)してありますので本気にする者はいないと思われますが」
「ほんに、道化よの。まっとうな女性は誰も相手にせぬであろう」
 アンジェリアは口元に笑みを浮かべた。
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