女王陛下は溺愛禁止!
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アンジェリアはラドウィルトとともに、普段は立入禁止となっている王宮の地下を歩く。
剥き出しの石壁に囲まれ、暗くじめじめとしている。カンテラの明かりは頼りなくて、先はまったく見通せない。
地下神殿に着くと、ラドウィルトはカンテラを扉の近くの小窓に置いた。
それだけで神殿全体が明るく照らされる。
過去に魔力をこめて作られた道具がカンテラの明かりを増幅して全体を照らしているらしいのだが、その仕組みは解明されていない。
大きな地下空洞を利用した神殿であり、剥き出しの地面はごつごつとしている。あちこちに水晶が生えていて、柱のように天井まで伸びているものもあって美しい。
壁にはこの国で主に信仰されている神々の姿が、豊穣の楽土ともに描かれている。
ふたりはしずしずと奥の祭壇に向かった。
「神を封印している場所に神々が描かれているとは皮肉だな」
「今さらそれをおっしゃいますか」
「ずっと思っていたことだ」
アンジェリアは答える。
「そもそも、本当に神はいるのか?」
「さあ、証明した者はどこにもおりません」
「魔力を持たぬ私がこんな儀式をして意味があるのか?」
封印強化の儀式を年に一度行うのだが、彼女にはその意義が疑問だった。
「手順に意味があるかもしれません。いないと証明した者もおりませんし、悪神ならば封印しておくべきでしょう」
「伝承の通りなら小物のようだが」
祭壇の奥の壁にはステンドグラスがあり、きらきらと美しい光を投げかけている。