こじらせ美女は王子様の夢を見る
王子様
玲央との初めての長いキスは
私をおかしくさせるには十分だった。
「……ん、んん、ぷはっ…」
息、できない
なんか、慣れてるな玲央。
そんなことにもモヤっとしてしまう。
自覚するって恐ろしい、
「ちょ、玲央。私初めてなんだから加減してよ」
「へー、俺が初めてなんだ」
見るからに嬉しそうな顔をする玲央。
「あ、当たり前でしょ。彼氏出来たことないんだから」
「そっか、俺が好きで恋愛出来なかったんだっけ?」
冗談のように笑いながらそう言う玲央
いつもなら言い返すけど…
気づいてしまった。
運命とか王子様とか色々理由をつけて恋愛を避けてたのは、
たぶん玲央と初めて会ったあの感覚が忘れられなくて
ずっと想い続けてたんじゃないかって。
「そうかもね。ずっと玲央が好きだったのかも。」
そう言った私を驚いたような顔で見る玲央。
「は?お前なに。可愛すぎんだけど」
いま抱き合ってるこの状況を
あの時の私が見たらどう思うだろう。
あの桜の下の王子様と
想いが通じ合っただなんて。
きっと、信じられないだろうな。
私が探し求めていた"運命の王子様"
それは後にも先にも1人だけ。
「玲央、好き」
私は、あの日直接言えなかった言葉を、
繰り返すように
初恋の人に伝え続けた。