飴ちゃん食べる?~よろしく焼肉ホスト部♡
 駅に着いて、電車を待つふたり。

「ご両親、明るくていい雰囲気だね」
「……話す時、間に入ってくれてありがとな」

 天野スミス唯が、私にお礼を――。

「思い出もたくさんできたし、肉を焼くのも上手くなれたし。楽しかった! 連れてきてくれて、こっちこそありがとう!」
「栗谷川!」

 真剣な眼差しで私を見る彼。

「あらたまって、何?」
「本当の彼女に――」

 天野スミス唯が何かを言いかけた時、電車が来てなだれのように人たちが動き出す。私たちは流れるように電車に乗った。

 さっき天野スミス唯が何を言いかけたのかが気になったけれど、聞けなかった。
 帰り道はずっと、彼の温度と抱きしめられた感触を思い出していた。

 電車で隣に座って、天野スミス唯との距離が近くに感じて。意識して、彼と目が合わせられなかった。

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