エンドロールを巻き戻せ
　月曜日になった。
私は、とても仕事なんてする気分じゃなかったが、仕事に恋愛は関係ないと思って、なんとか自分を奮い立たせる。
私は本当にちゃんと働けるのかと不安になったが、仕事が始まってしまえば、その波に乗って意外に普通に一日を過ごせた。

　子供達の笑顔と、無邪気さに救われたといってもいいが、私はやっぱり子供が好きなんだと思った。
香奈のアドバイス通り私はただ、たんたんといつもの日常を過ごす努力をした。
　けれど家に帰ると、一彩との事を思い出してしまい、涙にくれる日々が続いた。

　そんな日が一週間たったある日の事、私は優佳先生と一緒に残業して、参観日に使う子供たの壁画制作をしていた。

「えっ？瑞稀先生彼氏と別れたんですか？」

優佳先生に、誕生日の話しを聞かれて私は正直に答えた。

「そうなんだよねぇ。振られちゃったよ〜。
それも、まさかの誕生日にね！」

　余計に気を使われるのがいやだったから、私はなるべく明るく伝えた。
それでも、優佳先生は私を心配そうに見る。

「瑞稀先生大丈夫ですか？でも、ちょっと酷くないですか？何も誕生日の日にそんな事言わなくてもいいのに！」

　私もそれは思っていたけど、一彩なりにこの9年の付き合いのケジメを、私の誕生日につけたかったのかもしれない。

「ほんとに酷いよね〜もうとっとと忘れて次の恋愛しちゃうんだから！」

　私は全く心にもない事を言う。
けれど、優佳先生は私の発言を間に受けたのかこんな事を言ってくる。

「瑞稀先生、合コンいきません？今週の金曜日の夜、渋谷であるんですけど、行きましょうよ！」

と誘ってきた。
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