エンドロールを巻き戻せ
 私は、生まれてから合コンというものに行った事がなかった。
もちろん、大学時代は誘われた事もあったけど、一彩がいたから参加した事はなかったのだ。
優佳先生に誘われても、私は全然乗り気じゃなかった。

 新しい恋愛なんて、今の私にできるはずがないと思っているからだ。
私は新しい恋愛なんて求めず、まだまだ一彩の事だけを求めていた。

「瑞稀先生乗り気じゃないでしょ。」

 優佳先生は、鋭く私の気持ちに気づく。

「そんな事はないんだけどね、、、。私合コンとかいった事なくて、なんか大丈夫かな?って。」

 私は咄嗟に言い訳をする。

「大丈夫ですよ〜そんな、男が皆んな、合コンで会った女の子をとって食うわけじゃないんだし。それに、金曜日はエリートサラリーマンが来るみたいですよ。絶対当たり、絶対狙い目、一日でも若いうちに恋愛しといた方がいいです!」

「そっそうなの?」

「当たり前じゃないですか、若さに勝てるもんなんてないですよ。26歳過ぎたら、肌も衰えてくるし、早いうちに手を打った方がいいですよ。
誕生日に振ってくる男なんて辞めて、早いところ次の恋愛いきましょ!」

 そう半ば強引に押し切られ、私は金曜日に合コンへ行く事になった。
その話しを電話で、香奈に言うと少し心配そうに私に言った。

「ちょっと、まだ早いんじゃない?大丈夫?
だいぶ粗治療みたいだけど。」

「私もそう思うよ。でも、まあ、合コンがどんな物なのか確認だけしてくるよ。」

「確認って、、、まあ、少しでも楽しめたら良いけどね。」

と言って若干不安そうではあったが、香奈も最後は応援してくれた。
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