別れた警視正パパに見つかって情熱愛に捕まりました
(なんで……このタイミングで……)

 いろいろな感情が溢れておかしくなりそうだ。力が入らない指先でなんとかスマートフォンを耳元に押さえつける。

「おかえり、なさい」

『やっと君の声が聞けた……本当は今すぐにでも会いに行きたいんだけど、ごめん。今現場が立て込んでいて、なんとか時間を作るからそれまで待っていてくれるか?』

 いつも佳純にかけてくれる優しい声だ。彼の無事もこちらへの気遣いも嬉しくて、切ないほどに胸が締め付けられる。

「……はい、待ってます。お仕事がんばってくださいね」

『君も無理をするなよ……じゃあ、また』

 帰国して早々仕事に向かうのだろう。慌ただしく電話は切れた。部屋の中に再び取り残されたような静寂が訪れた。

「……あ」

 電話を終えた佳純は、自分の片手を無意識に下腹部に添えていたと気づく。

「ここに……瞬さんの赤ちゃんがいるんだ」

 外からは何も変わりのないそこから、掌を通じて温かい感覚が伝わってくる気がした。


 佳純は翌日近所の産婦人科を受診した。

「もう心音も確認できますよ。見えますか」
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