あの子の成績表
佳苗ちゃんと一緒に引っ張り上げてみると、そこには大きなおにぎりとお茶の缶が人数分入っていました。
だけどハンカチとかティッシュとか、お尻の下にひくレジャーシートは見当たりません。

ひとりで戸惑っていると、みんな気にする様子もなく地べたに座ってラップで来るんであるおにぎりを食べ始めました。
「どうしたん? 食べへんの?」

「え、いや……」
「ほら、ここ座って」
佳苗ちゃんが隣の地面をポンッと叩くと、砂埃がブワッと舞い上がります。

みんなこんなところでおにぎりを食べたらジャリジャリの砂まみれになるのに。
そう思いながらも佳苗ちゃんの横に座り、そっとおむすびのラップを外しました。
両手が汚れているので、下半分のラップはつけたまま、できるだけ素早くひとくちかじって、すぐにラップをかけなおしました。
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