あの子の成績表
「それなら1日だけ一緒の部屋にいた子かもしれない。あまりにも使い物にならなくて、すぐに別部屋に移されたけど」
「それってどこですか!?」

身を乗り出して質問すると、その子は眉間にシワを寄せて「さぁ、そこまでは私も知らないんだ」と申し訳無さそうに言いました。
ガイコツと思われていた子が穂波だったとしても、ここで情報は途切れてしまうことになります。

なんでもいいから、少しでもいいから手がかりがほしくて「なにか思い出してください! お願いします!」と、頭を地面に擦り付けて懇願しました。
そのときです、佳苗ちゃんが「もしかしてさぁ」と呟いたのです。

「労働で使えへん子たちが集められる場所があるらしくて、そこにいるかもしれんよ?」
「それってどこ!?」

答えてくれたのはユッキーです。
ユッキーはこの班の中では一番ここにいる歴が長いので、人よりも詳しいようでした。
「あぁ、それって医務室のこと?」

「医務室?」
学校で言う保健室のことだと佳苗ちゃんが教えてくれました。
ここにも体調を崩したり大きなケガをした人を診てくる場所があるのだとわかり、驚きました。
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