あの子の成績表
大爆発
部屋を出ると診察室にいる先生はまだ伸びていました。
私達はその横をすり抜けて廊下へと出ます。
廊下はとても静かで人の気配はしません。

ここは医務室以外にはないようで他の人は別の場所で眠っているんだと思いました。
それから私はうまく歩けなくなってしまった穂波を気遣いながら、階段を下りて、また登ってを繰り返します。

「ここが、私がいた部屋」
いつもの部屋の前に到着して私はドアをノックしました。
もう寝てしまっているかと思っていましたけれど、すぐに佳苗ちゃんがドアの近くまでやってくる音が聞こえてきました。

「瑞希? 大丈夫なん?」
「佳苗ちゃん私は大丈夫だよ。穂波とも合流した」
「嘘やろ、ほんまにそんなことができるなんて……」

佳苗ちゃんの驚く顔が目に浮かんでくるようです。
鍵を開けることができれば絶対に佳苗ちゃんに穂波を紹介したかった。
「本当だよ。穂波、私の友達の佳苗ちゃん」
「はじめまして」
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