あの子の成績表
大輔くんのお母さんは最後はあんな風になってしまって怖かったけれど、あれはきっとヒントだったんです。
私と正樹も評価されている。

だとすればそれはやっぱり成績表のことでしょう。
私達小学生は成績表がすべての評価の結果です。
それが数字で表現されているか、『よい』『ふつう』『悪い』の日本語になっているかの違いだけ。

試しに自分の成績表を開いて確認してみましたけれど、やっぱり右側の欄に『人間的評価』なんて文字は見当たりません。
どうしていなくなった子たちだけに現れていたんでしょうか。

しかも評価はみんなマイナス100。
○○小学校の成績表で一番悪い数字は『1』ですから、『マイナス100』なんて数字はもちろんありません。

ひとりで考えてもわからないことだらけです。
そのタイミングで正樹が来てくれたのは本当によかったです。
正樹も自分の成績表を持ってきていて、ふたりしてリビングで成績表とにらめっこの時間が始まりました。
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