あの子の成績表
あぶり出す
大輔くんのお母さんに会ったことは誰にも言っていません。
怖くて怖くて仕方なくて、誰かに言いたい気持ちはありましたけれど、正樹と秘密にしておくことを約束したからです。

だから、ここで初めて言ったんです。
お願いします。
大輔くんのお母さんを助けてあげてください。
そんなことがあった翌日のことです。

私と正樹はまた私の家で待ち合わせをしました。
今度も冷たい飲み物を準備して、部屋も冷やしておきましたけれど、前回みたいな胸のドキドキはありませんでした。

2度目だから慣れたわけではありません。
大輔くんのお母さんのことを思い出すと、自然と暗い気持ちになってしまったからです。
最後に私はリビングのテーブルに自分の成績表を起きました。

それは1年生の頃からもらってきた成績表です。
昨日の大輔くんのお母さんの言葉がどうしても頭から離れなかったので、ちゃんと性s起票を確認してみようということになったんです。
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