あの子の成績表
それを見た大人たちがなにかに気が付き、理解するために。
「『人間的評価 マイナス0』」
浮かび上がった文字を私はそのまま読み上げました。
それは私達の成績表には書かれていないと思い込んでいた人間的評価欄だったんです。
それを見た瞬間背筋がゾッと寒くなりました。
幸いだったのは私の数字が『0』だったことです。
いなくなった子たちと違うところがそこにあったからです。
それから5年生の成績表を確認してみても、やっぱろ同じように文字が浮かんできました。
こちらも数字は『0』でした。
「この数字、もともとが『0』で、そこからどんどんマイナス評価されていってるのかもしれないな」
気がついたように正樹が言いました。
プラス評価ではなく、マイナス評価。
だからマイナス100なんていう数字になっていたのでしょうか。
「成績表をつけているのは先生たちだ。やっぱり、先生たちはなにか隠してるんだよ」
正樹が真剣な表情で言いました。
「『人間的評価 マイナス0』」
浮かび上がった文字を私はそのまま読み上げました。
それは私達の成績表には書かれていないと思い込んでいた人間的評価欄だったんです。
それを見た瞬間背筋がゾッと寒くなりました。
幸いだったのは私の数字が『0』だったことです。
いなくなった子たちと違うところがそこにあったからです。
それから5年生の成績表を確認してみても、やっぱろ同じように文字が浮かんできました。
こちらも数字は『0』でした。
「この数字、もともとが『0』で、そこからどんどんマイナス評価されていってるのかもしれないな」
気がついたように正樹が言いました。
プラス評価ではなく、マイナス評価。
だからマイナス100なんていう数字になっていたのでしょうか。
「成績表をつけているのは先生たちだ。やっぱり、先生たちはなにか隠してるんだよ」
正樹が真剣な表情で言いました。