あの子の成績表
だけどコンロの火よりは弱くて、火事になる心配が少ないと思ったんです。
私達は成績表とマッチを持って水をためたままにしてある洗面所へと向かいました。
もし紙に火がついたときにすぐに消すためです。
「瑞希は紙を持ってて、俺がマッチに火を付けるから」
正樹がそう言ってくれたので、私は素直に従いました。
もともと正樹は爆弾作りなんかをしているから、火には慣れているんです。
正樹がマッチをするとシュッと音がして一瞬大きな火が起こり、花火の火薬と同じニオイが部屋に立ち込めました。
それから火はすぐに小さくなって、可愛らしいサイズでユラユラと揺れます。
私が成績表を開いて持つと、正樹がその下にマッチの火を近づけました。
成績表は4年生のころのもので、水には濡れていません。
マッチの火の先端が紙にふれてジワジワと紙の色が茶色くなってきます。
これ以上火を近づけていると燃えてしまうかもしれないという不安感が湧いてきたときです。
成績表の白い部分に文字が浮かび上がってきたんです!
信じられないかもしれないけれど、現物を私達はまだ持っています。
確かに、成績表には隠された文字があって、それは炙ることで出てきたんです。
きっと、行方不明になった子たちの成績表は普段隠されているその文字が、そのまま印刷されていたんでしょう。
私達は成績表とマッチを持って水をためたままにしてある洗面所へと向かいました。
もし紙に火がついたときにすぐに消すためです。
「瑞希は紙を持ってて、俺がマッチに火を付けるから」
正樹がそう言ってくれたので、私は素直に従いました。
もともと正樹は爆弾作りなんかをしているから、火には慣れているんです。
正樹がマッチをするとシュッと音がして一瞬大きな火が起こり、花火の火薬と同じニオイが部屋に立ち込めました。
それから火はすぐに小さくなって、可愛らしいサイズでユラユラと揺れます。
私が成績表を開いて持つと、正樹がその下にマッチの火を近づけました。
成績表は4年生のころのもので、水には濡れていません。
マッチの火の先端が紙にふれてジワジワと紙の色が茶色くなってきます。
これ以上火を近づけていると燃えてしまうかもしれないという不安感が湧いてきたときです。
成績表の白い部分に文字が浮かび上がってきたんです!
信じられないかもしれないけれど、現物を私達はまだ持っています。
確かに、成績表には隠された文字があって、それは炙ることで出てきたんです。
きっと、行方不明になった子たちの成績表は普段隠されているその文字が、そのまま印刷されていたんでしょう。