DEAR 1st 〜 SEASON〜


…そのまま始業式が始まり、あたし達は体育館へと移動しながらまだ話し込んでいた。


全校生徒が一気に集まるこの機会で、ぶんちゃんを探さない訳がない。



どこにいるのかなぁ…。
見たいなぁ…。



始業式が始まって、キョロキョロとぶんちゃんを探す。





───いた。


3年5組の列の真ん中。


相変わらずのルックスと、ヘアスタイル。



…さっきまであの背中にしがみついていたんだよね……。




────かぁっ…。




思い出しただけで、体の芯から熱がこもる。


ぶんちゃんの温かさも匂いも感覚として残っている。



……でも、まだ知らない事が多すぎて。



もっと早くぶんちゃんの事知りたい──…。





「ねー?

それで高山さんってさ、

元彼女とどうやって別れたの?」




いつの間にか始業式が終わり、ナナが再び話を開始した。




「…さぁ……。」



まだぶんちゃんを見ていたあたしは、曖昧な返事をナナに返して。


自分もそろそろ、教室に帰ろうとした時だった。




「ちょっ……彩!」


「えっ?」




ナナが思いっきり腕を引っ張る。




「あれ!」





そう言われ、見た先には──…




「………え………」




目が凍りそうになった。



だって。



ぶんちゃんと“彼女”が楽しそうに笑い合っていたんだから──…。

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