無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
「どうしたんですか、じゃねぇよ。
何回呼んだと思ってんの?」
「ごめんなさい……」
呆れかえったような染野くんの言葉。
申し訳なさから、思わずしゅんとうなだれ、謝罪の言葉を口にした。
何回も呼んでくれてたんだ……。
考えごとしてて、気が付かなかったなぁ……。
ただでさえ同居するってだけで迷惑かけてるのに、こんなに迷惑かけてちゃダメだっ!
しっかりしろ、私っ。
「間取り、確認した?」
「い、いえ、まだ……」
「なら、とっとと確認するぞ」
そうぶっきらぼうに告げた染野くんは、私に背を向けてすぐそばの扉に手をかけた。