無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
「はい。また会いましょうね」
私が手を振ると、琥珀くんも穏やかな笑顔で手を振り返してくれた。
そしてそのまま、私たちに背を向けて行ってしまった。
琥珀くんが机の上に置いてくれた500円玉を手に取り、ポケットの中の財布に入れた。
「ちょ、ちょっと玲奈⁉」
「ん?どうしたの、琴葉ちゃん」
再びスプーンを手に取り、オムライスを食べようとしたけど、それは琴葉ちゃんの驚いたような、焦ったような声に遮断される。
不思議に思って聞き返すと、琴葉ちゃんになぜか大きくため息をつかれてしまった。
「玲奈、あんた佐藤琥珀と幼なじみだったの⁉」
「へ? うん、そうだよ」
「なるほど、その反応からすると、玲奈は知らないのね……」