無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
これくらいで泣くなんて大げさだって、引かれたかもしれないよね……。
で、でも、本当にそれくらいうれしかったんだもんっ……。
染野くんは私と会話するとき、無理してないかな……?
やっぱり合わないかもって、思われてないといいなぁ……。
ど、同居するにあたって、楽に話せるようにあんなことを言ったんじゃないよね……?
いや、ううんっ。
それだけは絶対に、ないはずだよね……!
だって染野くんは、そんな人じゃないもん……っ!
彼は、私が命の危機にさらされたときにでも、迷いなく助けてくれた人だ。
そんな優しい人が、あんなことを思うわけない。