無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


それに思わず苦笑いを浮かべてしまう。



すると、一樹くんははぁ、と大きく息をついて。




「最悪すぎだろこのメンツ……」




とつぶやいた。




「……あなたたちに、玲奈は渡さないんで」




それから、一樹くんが琥珀くんと颯太先輩を鋭い瞳で見据えて、よく通る声でそう言った。




「……へっ⁉」




数秒かけてその言葉の意味を理解すると同時に、変な声を出してしまう。



顔がかああっと熱くなって、心臓がドキドキと音を立てているのを感じた。



私を渡さないって、どういうこと、一樹くん……っ。



そんな私を見て、一樹くんはふっと笑顔を浮かべた。



そして、私の手を優しく握る。




「え……っ⁉」




ますます顔が熱くなるのを感じた。



一樹くんに握られている手のひらが、ぽかぽかとあったかい。



一樹くんのぬくもりに触れているような気がして、なんだかくすぐったくなる。


< 316 / 486 >

この作品をシェア

pagetop