無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる
「なにって……、分かってるでしょ、玲奈」
その言葉に、心臓が大きく音を立てた。
ほ、本当に、そうなの……っ?
一樹くん、今、本当に。
「きっ、キスしたの……っ?」
「うん、正解」
ぶわぁっと体温が上がっていく。
だけれど、すでに真っ赤である私は、もう体温が上がりすぎているようで。
代わりに目に涙がたまり始めた。
「……っ」
一樹くんの息をのむ音。
そして、赤く染められた顔と、余裕のなさそうな瞳につかまった。
「ちょっ、その顔は、反則……」
「へ……っ⁉」
は、反則……っ⁉
それって、どういう意味……っ⁉
「可愛、すぎるから……っ」
「……っ、えっ」
「ほかの男には見せないで、それ」
「~~っ!」
可愛いだとか、そんな言葉が一樹くんの口からあふれ出す。