無気力な王子様は、今日も私を溺愛したがる


逆に、この状況でどうしたら緊張しなくてすむのかが分からない。


……だって、目の前にいるのは。


──染野 一樹(いつき)


……私の、好きな人。


そして、私のことが一番……嫌いな人。



「まじかよ……」



染野くんは、驚いたように小さくつぶやいた。


えーと、今、染野くんがここにいるということは……。


そ、そういうこと、なのかな……?


いやいやまさかっ!!


私のお母さんは名前を聞き忘れてしまったみたいだけれど、相手の人の親御さんはそんなことはないはず。


同居相手が私だと知っているはずだから、彼がこの話に承諾することはまずないだろう。

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