苦手な上司にプロポーズすることになりました
「しかし、そんなに噂が広まってるのか」

「母親に知られたくないとか意味深なことを言うからですよ」

「だって、怒られそうじゃないか」
と子どものようなことを言う。

 そこで由人はふと気づいたように、こちらを見、訊いてきた。

「ところでお前は全然疑わなかったのか?」

 俺に『ゆかり』という恋人がいるというのを、と由人は言う。

「はい」

「冷静なんだな。
 俺に興味がないからか」

「そういうわけでもないんですけど」

 何故、疑わなかったのか、あまり細かい話はしたくなかったので、
「ささ、もう一個どうですか」
と由人の愛人(?)『ゆかり』むすびを勧めてみた。





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