苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


「部長の好きな相手は、『ゆかりさん』という話、早く収まるといいですね」

「みんなすぐに俺の話題なんて飽きて、別の奴の噂話でもはじめるさ」

「ゆかりさん……」
と口の中で呟いた佑茉は、

「部長は、ちょっと酸っぱい女性が好きかなとか思われそうですね」
とゆかりおむすびを見ながら言った。

「酸っぱい女性って、どんなんだ……」

 酸っぱい……。

 佑茉の頭の中に、居酒屋に貼ってるあるポスターが浮かんだ。

 にっこり女性が微笑んでいる、レモンサワーのポスターだ。

 そのとき、由人が言った。

「俺は酸っぱい女性よりも、ちょっとミステリアスな方が好みかな」

「ぼんやりした方がお好みだったのでは?」
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