苦手な上司にプロポーズすることになりました
 このチャンスを逃してはならないっ。

 千賀代の心はメラメラと燃えていた。

 由人は全然チャラついたところがないから、とんでもない女が寄ってきてるなんてこともないだろう。

 そんな女だったら、めんどくさがって、距離をとりそうだからだ。

 由人から電話がかかってくる。

 昔、今の旦那から、初めて携帯に電話がかかってきたときよりも、緊張しながら、電話に出た。

「すまない。
 遅くなって――。

 日曜に野菜の収穫手伝えって話?」

 千賀代は趣味で畑を作っていた。

「そんなことはいいのよ」

 横で彼女の声がしたが、聞き取れない。

「は? 乗せてく? 誰が。
 お前、免許あったのか」
と由人の声がする。
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