苦手な上司にプロポーズすることになりました
 


「どんな服で畑に収穫に行ったら、無礼じゃないか。
 部長、一緒に行って、見立ててください」
と言う佑茉に百貨店に連れていかれた。

 その場合の無礼は誰が無礼だと思うんだろうな。

 野菜?
 畑か?
とか思っているうちに、感じのいい男の店員が出てきて、見たこともない部屋に通された。

 リゾートホテルのようなラグジュアリーな一室で、お茶をいただきながら、佑茉が、

「畑に収穫に行くのに、いい服ないかしら、斎藤さん」
 などと、その自分より少し年上かな、くらいの店員に言う。

「畑にですか。
 こんな感じですかね?」

 斎藤という男は、砂漠で旅をしそうな――

 いや、実際にはこの格好では無理だと思うが。

 白シャツに深緑のパンツにスカーフの組み合わせをタブレットで見せてきた。

 値段は出ていないが、見るからに上質な感じのもので、シンプルに見えても、幾らするのかわからない感じだった。
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